先日、お客様から以下の質問を頂きました。


お客様
S字結腸法は腸閉塞の可能性が高まるとのことですが、このリスクに関する統計・事例等はありますか。

実は、S字結腸法によるSRSは手術が開始されてまだ年数が浅い為、S字結腸法によるSRSでの統計に必要な十分なデータが集まっていないのが現状なのです。

しかし、一般的な結腸直腸手術*後の腸閉塞の確立が約3~13%(参考: https://j-depo.com/news/ileus.html )であることを考えると、腸閉塞のリスクについて十分理解しておく必要があります。

*この「一般的な結腸直腸手術」というのはSRS以外の潰瘍性大腸炎や直腸癌など、元々腸に問題のあった方が腸の一部を摘出した場合を指します。

ただ、腹腔鏡手術の医師(消化器外科)によると、術後〜7日以内の間に十分に歩くなどしてお腹を揺らし、可能な限り腸の手術部位と腹膜などとの癒着を防ぐ事で術後の腸閉塞の確立を下げる事が出来るそうです(実際、ガモン病院では術後3日目から病棟の廊下を歩く様に促されます)。

尚、私達のお客様では現時点で術後に腸閉塞となった方は居ませんが、私達の知る限りではガモン病院で1例のみ報告があります。


お客様
一般的な結腸直腸手術後の腸閉塞の確率が約3~13%であり、ガモン病院で1例報告があるとのことですが、一方でガモン病院でS状結腸膣形成術を受けた患者は1997年~2013年の間で390名とのことで、これらのデータに違和感を感じます。

これは、S字結腸法SRSの腸閉塞の起きやすさが一般的な結腸直腸手術より低いのか、どう解釈すればよいのでしょうか。

また、腸閉塞の起きやすさは腹腔鏡手術と開腹法とで変わりますか。


先も説明しましたが、この「一般的な結腸直腸手術」というのはSRS以外の潰瘍性大腸炎や直腸癌など、元々腸に問題のあった方が腸の一部を摘出した場合を指します。

通常、その様な方には大抵、乱れた食生活や生活習慣などの問題があります。この様な場合、文献( https://j-depo.com/news/ileus.html 内の参考文献)によると「一般的な結腸直腸手術」後も手術前の食生活や生活習慣を改善できず、結果としてイレウスを発症する確率が高くなっている様です。

これに対し、S字結腸法によるSRSは、原則として腸が健康そのものである方に対してのみ行われますし(腸に問題があったり、肥満など生活習慣に問題がある方は、S字結腸法での手術ができない場合があります)、S字結腸法によるSRSではS字結腸の周りの血管などは全て維持したまま(切除せずに)膣となる場所に移動させますので、腸自体への負担は「一般的な結腸直腸手術」とは大きく異なります。

裏付けとなる研究結果や文献は現時点でありませんが、この点がS字結腸法でのSRS後の腸閉塞の発生確率に大きく影響していると考えます。

もちろん、S字結腸法によるSRSでも、以下に当てはまる場合は術後の腸閉塞の可能性を上げることになります。

  • 現在便秘薬を常用している・お腹を壊しやすい体質である等、腸に問題がある場合
  • ロキソニンなど、副作用として腸閉塞が報告されている薬を頻繁に飲んでいる場合
  • 術後の滞在中に禁止されている食べ物(生野菜など)を食べた場合
  • 術前・術後の食生活や生活習慣が乱れている(過食など)場合

また、同じ文献によると、開腹法による手術を受けた場合よりも、傷が小さく癒着を最小限に抑えられる腹腔鏡による手術を受けた場合の方が腸閉塞の発症確率は低くなります。

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