転載記事:性同一性障害の手術療法に対する健康保険適用の内容

記者:

横須賀 武彦

2017年12月13日

 

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保険適用の情報です!SRS手術は保険適用される可能性があります!詳しい情報はまだ分かりませんが、来年2月に決定される予定です。お問い合わせはご遠慮なく!😊💬 #SRS手術 #保険適用 #情報 #お問い合わせ
 
GID.JPの元代表の山本  蘭様のブログから許可を頂いて転載致します。
とても良質な情報であると思います。
弊社もSRS(性別適合手術)の保険適用の動向に注目しています。
 

性同一性障害の手術療法に対する健康保険適用の内容

今回性同一性障害の健康保険適用にあたり、その内容についてですが、基本的にまだ中央社会保険医療協議会(中医協)で審議中であり、最終的な決定は来年2月になります。従って、現時点では詳しいことは何も決まっていません。
しかしながら、私は厚生労働省と協力して保険適用実現に向けて作業を行っており、現在も細かい詰めを行っている関係でより詳しく知る立場にありますので、今出せる情報をお知らせしておきます。

1.保険適用の内容は?
性同一性霜害の手術療法と言われているもの全般が対象です。
MTFに対する陰茎・陰嚢切除、膣形成、陰核・陰唇形成
FTMに対する乳房切除術、子宮卵巣摘出、尿道延長、陰茎形成などが含まれています。

2.乳房切除術も対象になるの?
現状対象に含まれています。
確かに乳房切除術はガイドライン上性別適合手術に含まれていませんが、手術を受けるほとんどの当事者が行っていること、広い意味で「性別を適合させる手術」ということでご理解をいただいています。

3.MTFの豊胸や脱毛は?
残念ながら、これらは対象外です。

4.ホルモン療法は健康保険になる?
これも残念ながら、今回は手術療法に対する適用のみです。
ただ、厚労省薬事局からは、「手術療法が保険適用となった場合、ホルモン療法の保険適用も検討する」旨の言葉をいただいており、そう遠くない未来に適用になるのではないかと期待しています。

5.どこの医療機関でも適用になる?
いいえ、今回は限定された認定医療機関で手術を行った場合のみ適用となります。
認定医療機関がどこになるかはまだ審議中で、今私の口からどこが適用になるとは言えませんが、以下の条件を満たしたところになる予定です。
・GID学会の認定医が所属していること → 現状の認定医はこちら
・ガイドラインの基準を満たしていること → ガイドラインの基準はこちら
要は、認定医がいて、入院可能な医療機関が対象となります。
クリニック系はほぼ対象外となるでしょう。

6.海外での手術も対象となる?
なりません。
元々、どのような疾患の場合でも、治療を目的として渡航した場合には保険診療の対象になりません。(現在移植手術については、一部緩和する動きもみられますが)
また、今回は認定医療機関のみでの適用になりますが、海外の医療機関が認定されることはありません。

7.保険適用になれば3割負担になる?
基本3割負担ですが、差額ベッド代・食事代などは対象外です。
また、高額療養費制度 も適用になります。これは保険対象の医療費が1か月(1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度です。所得にもよりますが、多くの人は10万円程度までで済むでしょう。これにより、3割の負担額よりかなり安い金額で手術を受けられることになります。
更に限度額適用認定証を事前にもらっておけば、病院の窓口で支払う際にこの限度額までの支払で済みます。

8.現在途中まで手術を受けているけれど、その続きは保険適用になる?
なります。例えばFTMの方が乳房切除は既に受けていて子宮卵巣摘出を行いたい場合や、陰茎形成を行いたい場合、その手術から保険適用が可能になります。

9.施行はいつから?
来年2月頃中医協で決定され、施行は4月1日からになります。

10.今予約しているけど、キャンセルした方がいい?
4月1日以降に予約されている方は、保険適用になりますのでそのままで大丈夫です。3月末までの方はなんともいえません。5の基準を満たしている医療機関には既に予約が殺到しているという話もあります。そうなると、おそらく長い待機期間が発生するものと思われます。
逆に来年3月末までの予約はキャンセルが多発しているという話なので、早くやりたい人には狙い目かもしれません。

11.認定医療機関が増えないと、待機期間が増えるだけなのですが。
それについては憂慮しています。
が、保険適用になれば診療を開始したいという病院もいくつかあるとの情報を得ています。そのため次第に充足していくのではないかと期待しています。

12.アテンド会社から保険での手術を勧められたが?
騙されてはいけません。
この保険適用の話が出て以来、アテンド会社からの売り込みが激しくなっているという話を聞きます。
また、その中にはまだ審議中であることをいいことに、自社が提携しているクリニックや海外での手術も保険適用になるかもしれないと言葉巧み誘う手口も見られます。
先に書いたように、アテンド会社が提携しているクリニックや海外医療機関での手術は保険適用にはなりません。
どうか、騙されないようお気をつけください。

最後に、いずれにしても保険適用はまだ審議中です。
自民党や、一部のLGBT当事者などから反対の意見も出ているようです。
それらは、なんとか今抑えていますが、最悪ひっくり返る可能性がゼロではないこと、ご承知おきください。
来年2月に正式に保険適用がなされることを祈りましょう。私も、全力を尽くします。

 
転載元ブログ記事:山本 蘭の活動日誌 ReBoot
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